Local Fair Trade
持続可能な多文化共生農村づくり
Local
Fair Trade
地震の被害を受けた八代の多文化農家と監理団体、計5か所を訪ね、お見舞いのご挨拶をしてきました。これらの農家は、昨年の夏、大学のフェアトレード研究会の学生20名ほどと一緒に、3日間にわたる多文化農家調査キャンプで訪問したところで、今回の地震で特に大きな被害を受けた鏡町・氷川町地域の農家の皆さんです。
地震が発生してすぐ、韓国語学研修で学生30名ほどを引率しなければならなかったため、多文化農家への訪問が少し遅くなってしまいました。地震から3週間が経ちましたが、全壊した家々の間には、今も屋根をブルーシートで覆った家があちこちに見られました。
水道は、ようやく昨日から使えるようになったとのことです。私たちが持参した水やスポーツドリンクは、少しタイミングを逃してしまった感もありましたが、一緒に用意したフェアトレードのドリップコーヒーだけでも、しばし温かい気持ちを届けることができればと思いながら、帰路につきました。
今回の訪問には、熊本市国際交流会館の八木さんにもご同行いただき、より心強い訪問となりました。ご一緒いただき、本当にありがとうございました。
これから本格的に展開していくローカル・フェアトレードを成功させるためにも、八代の多文化農家の皆さんが今回の被害を乗り越え、再び力強く立ち上がってくださることを願っています。皆さん、どうか頑張ってください。
今回訪問した農家は、八代市鏡町の㈱うえなが、㈱Sora、みやもと農園、氷川町の澤永農園、高島町の㈱かめやまです。
本NPOと熊本学園大学フェアトレード研究会の「ローカルフェアトレードの取り組み」を紹介する動画を、熊本市国際課がYouTubeにアップしてくださいました。特に後半の「キックオフ宣言」の映像は、とても心に響く内容になっています。
https://www.youtube.com/watch?v=_YuCSvasbeU
下関市立大学の長濱辛一先生から、次のような素敵な紹介コメントをいただきました。世界中で蔓延する外国人差別に対する解決策として、また人口減少が続く日本の未来に対する処方箋として非常に参考になります。大学生にとっても大きな成長に繋がると思います。先進国と途上国の格差だけを考えていられる時代は終わり一国内での格差拡大についても考えなくてはならない時代。フェアトレードを進化させておられる試みに刺激をもらえます。
持続可能な多文化共生農村の実現を目指す「くまもと・ローカルフェアトレード」キックオフ宣言が16日午後、熊本市国際交流会館ホールで行われました。
イベントは、午後から開催された「持続可能な多文化共生農村づくり―ローカルフェアトレード・マルシェ」を皮切りにスタートし、午後3時半からはローカルフェアトレードをテーマとしたパネルディスカッションが行われました。
中でも特に注目を集めたのは、益城町でベビーリーフを栽培する農園のベトナム人夫婦が子どもとともに参加し、多文化共生農村の姿を体現した場面でした。移住労働者を単なる「労働力」としてではなく、少子高齢化が進む地域農業を支える重要な担い手として位置づける、今回の取り組みの理念を象徴する光景となりました。
また、キックオフ宣言では、有機栽培による大根、玉ねぎ、トマト、生姜、スイカなど、農園で育てられた規格外農産品も紹介されました。熊本学園大学フェアトレード研究会に所属する学生約10人は、それぞれの農産品を手に取り、生産地域や外国人労働者との協働による栽培背景、さらには規格外農産品を廃棄しない意義について説明しながら、大型の段ボール箱へ丁寧に詰めていきました。
学生たちは、認証ラベルが貼付された箱をSDGs消費者へ手渡しながら、ラベルに記された「M2T(Multicultural Farms to SDGs Tables)」――「多文化農家からSDGsの食卓へ」という理念についても紹介しました。
参加学生らは、認証ラベル付きの農産品ボックスは単なる配送用の箱ではなく、多文化共生農村を目指す農家とSDGs消費者を結びつける“新たな約束”であると強調しました。外国人労働者とともに生産された農産品を地域社会が公正に取引・消費していくことこそが、持続可能な農村づくりと多文化共生の実現に向けた第一歩になると訴えました。
会場には、多文化農家で働く移住労働者をはじめ、多文化農産品のフェアトレードに関心を寄せる大学生、自治体関係者、SDGs推進に取り組む企業関係者らが参加しました。民・学・官が連携し、新たなフェアトレードの形として「熊本版ローカルフェアトレードモデル」の構築を目指していくことを確認し合う場ともなりました。
今回の取り組みは始まったばかりではありますが、今後、地域社会に根ざした新たな多文化共生モデルとして発展していくことが期待されています。
#ローカルフェアトレード #持続可能な多文化共生農村づくり #多文化共生農家からSDGsの食卓へ #Multicultural_Farms_to_SDGs_Tables #キックオフ宣言 #フェアトレードシティくまもと #15周年記念シンポジウム #NPO東アジア共生文化センター #Local_Firtradeマルシェ #WITHコーヒー #くまがくFairtrade研究会 #FairtradeカフェFELICHA
5月16日(土)、熊本市国際交流会館ホールにて開催されるフェアトレードシティ・くまもと15周年記念シンポジウムの第3部として、熊本版ローカルフェアトレードのスタートを告げる「ローカルフェアトレード・キックオフ宣言」を行います。
テーマは、「ローカル・フェアトレードによる持続可能な多文化共生農村づくり」。 サブタイトルを「多文化共生農家からSDGsの食卓へ(M2T:Multicultural Farms to SDGs Tables)」として、農業・多文化共生・消費を地域のなかでつなぐ新たな取り組みを紹介します。
当日は、熊本市国際交流振興事業団、桜十字グループ、熊本県農業法人協会、KUMAMOTO KURASUの皆さまをパネリストに迎え、ローカルフェアトレードが目指す地域の仕組みや、外国人材とともに支える持続可能な農村のあり方について考えます。
最後には、熊本学園大学フェアトレード研究会の学生スタッフ、みっちゃん工房のベトナム人ご夫婦、SDGs消費者グループの皆さんとともに、ローカルフェアトレード・キックオフ宣言を行います。
また、同日13時から15時まではLocal Fairtrade マルシェも開催し、WITHコーヒー、フェアトレードチョコレート、多文化共生農家の農産品などを販売します。
ぜひ多くの皆さまにご参加いただき、熊本から始まるローカルフェアトレードと、多文化共生農村づくりの新たな一歩を一緒に応援していただければ幸いです。
公益財団法人トヨタ財団の2025年度特定課題「外国人材の受け入れと日本社会」において、私たちが熊本で進めてきた「ローカル・フェアトレード:持続可能な多文化共生農村づくり」を基盤とするプロジェクトが助成対象に選定されました。
正式な採択課題名は、「持続可能な多文化共生圏の構築を通じた農村における外国人材育成プロジェクト」です。外国人材を単なる労働力としてではなく、地域農業と地域社会をともに支える担い手として位置づけ、農家、大学、NPO、行政、地域社会が連携する仕組みづくりを目指しています。
その柱の一つが、熊本で進めているローカル・フェアトレードです。外国人材を適正に受け入れる農家を地域で応援するとともに、農業・流通・消費をつなぎ、持続可能な多文化共生農村の形成を進めていきます。
2026年4月26日に開催された助成金贈呈式およびワークショップに参加し、同じ「ローカル・フェアトレード:持続可能な多文化共生農村づくり」をテーマに、これまでの取り組みと今後の構想について発表しました。
▶ トヨタ財団「外国人材の受け入れと日本社会」https://www.toyotafound.or.jp/service/topics/toyotafound/2025_special_determined.html?utm
韓国のインターネット新聞「OhmyNews」に、熊本で進めているローカル・フェアトレードの取り組みが、インタビュー記事として紹介されました。
記事のタイトルは、「私たちの食卓を支える外国人労働者、いまこそ『農業の主体』として位置づけるべき」です。NPO東アジア共生文化センターの申明直代表へのインタビューを通じて、熊本で進めてきたローカル・フェアトレードの背景、これまでの実証的な取り組み、そして今後の構想が詳しく紹介されています。
記事では、外国人材を単なる「労働力」としてではなく、地域農業をともに支える農業の担い手として位置づける必要性が大きなテーマとなっています。また、外国人材を雇用する農家と地域の飲食店や消費者をつなぐ流通の仕組み、フェアトレードの視点を地域農業へ広げる試み、さらに外国人材の生活環境や地域とのつながりを含めたローカル・フェアトレードの考え方も取り上げられました。
これまで進めてきた農家・飲食店調査、直売マルシェ、多文化共生農家の動画制作、ローカル・フェアトレード部会の設置などの歩みとともに、今後は外国人材が農業技術や経営能力を高め、地域農業の担い手として成長していくための人材育成構想についても紹介されています。
韓国と日本の農村がともに高齢化や人手不足という課題を抱えるなか、ローカル・フェアトレードの実践が、農家・外国人材・地域社会・消費者をつなぎ、持続可能な多文化共生農村をつくる一つのモデルとして紹介されたことを大変うれしく思います。
記事はこちら
「우리 밥상을 일구는 외국인 노동자, 이제 '농업 주체'로 세워야」
(OhmyNews/2026年3月20日)
https://www.ohmynews.com/NWS_Web/View/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0003216475
2026年3月5日(木)、熊本学園大学14号館2階フェアトレードカフェ「FELICHA」にて、熊本学園大学付属海外事情研究所2025年度第3回研究会として、韓国フェアトレード・タウン委員会の金宣和(キム・ソンファ)委員長をお招きし、特別講演会を開催しました。
講演テーマは、「韓国におけるフェアトレード・タウンの現状とローカル・フェアトレードの可能性」です。韓国では、日本より遅れてフェアトレード・タウン運動が始まったものの、現在では16のフェアトレード・タウンと70のフェアトレード・コミュニティが形成され、活発な展開を見せています。
当日は、韓国におけるフェアトレード・タウン/コミュニティの発展過程や現状に加え、地域の生産者や消費者、多文化社会をつなぐローカル・フェアトレードの可能性についてもお話しいただきました。
熊本市はアジア初のフェアトレード・タウンであり、今回の講演は、熊本で進めているローカル・フェアトレードや多文化共生の取り組みを考えるうえでも、大変示唆に富む機会となりました。
とりわけ、フェアトレードを国際的な商品取引にとどめず、地域農業、地域経済、多文化共生を結びつける仕組みとして発展させていく視点は、今後の熊本での実践を考えるうえでも大きな示唆を与えるものでした。
本学フェアトレード研究会の学生たちとともに、2泊3日の日程で韓国・光州を訪問し、全南大学校での国際フォーラムへの参加と光州地域のフィールドワークを行いました。フェアトレード研究会の韓国研修は、2017年の釜山を皮切りに、ソウル、仁川、大田、京畿道など各地で続けてきたもので、今回が7回目となります。
2月11日には、全南大学校・熊本学園大学・浙江越秀外国語学院による国際フォーラム 「Coexisting Locally: Regional Economic Linkages and Cultural Practices」 が全南大学校で開催されました。地域経済、多文化共生、都市と農村、文化実践などをテーマに、韓国・日本・中国の研究者と学生が報告し、意見交換を行いました。
熊本学園大学からは、申明直がローカル・フェアトレードと持続可能な多文化共生農村づくりについて報告しました。また、本学大学院生2名も、韓国の多文化映画『アンニョン・ミヌ』と多国籍バンドをめぐる研究、ならびに気候変動・社会変動とK-POPをテーマとする研究成果を発表しました。
フォーラム後は、農村と都市が共存する光山区のまちづくり共同体支援センター、多文化住民が多く暮らす月谷洞、国立アジア文化殿堂(ACC)などを訪問しました。都市と農村、多文化コミュニティ、歴史と文化が交差する光州の現場を歩きながら、地域における「共生」について考える貴重な機会となりました。
今回の研修は、学生たちにとって研究発表だけでなく、韓国の地域社会を実際に訪れ、人々と交流しながら、ローカル・フェアトレードや多文化共生を東アジアの視点から考える学びの場となりました。
2026年1月17日、メディメッセ桜十字で開催された「多文化フェス2026 in くまもと」に、NPO東アジア共生文化センターも出店しました。
当日は、フェアトレードコーヒーとチョコレートを用意し、多くの来場者の皆さまにお立ち寄りいただきました。フェアトレード商品を楽しんでいただきながら、センターの活動や、多文化共生とフェアトレードを結びつけた取り組みについて紹介する機会にもなりました。
会場には、熊本県知事をはじめ、くまモンや熊本ヴォルターズの関係者なども訪れ、にぎやかな雰囲気に包まれました。木村敬熊本県知事にも本センターのブースへお立ち寄りいただき、活動について直接お話しすることができました。
食や音楽、スポーツなどを通して、国籍や世代を越えて人々が交流する今回のフェスは、多文化共生を身近に感じる貴重な機会となりました。NPOとしても、多くの方々とつながりを広げる一日となりました。
第1回から一度も欠かすことなく、熊本市とともに開催してきたフェアトレード・マルシェが、今年で10周年を迎えました。今年のテーマは、「グローバル&ローカル・フェアトレード」です。
数年前から私たちは、「多文化共生の農村づくり」を掲げ、ローカル・フェアトレードの取り組みを進めてきました。それは、「ある日、目を開いてみると、農村が外国になっていた」ともいえるほど、地域の農業現場で外国人材の存在が大きくなっているからです。これまでフェアトレードが主に海外の生産者を支えてきたのに対し、いまや支えるべき生産の担い手は、私たちの身近な農村にも暮らし、働いています。
熊本市で最もにぎわう中心市街地の一角、びぷれす広場で開催された今回のマルシェには、秋晴れにも恵まれ、本当に多くの方々に足を運んでいただきました。学生たちが準備したフェアトレードコーヒーやチョコレートに加え、ほうれん草、大根、トマト、ごぼうなどの農産物も並び、インドネシア、ベトナム、カンボジア出身の農村ワーカーたちも参加しました。文字通り、グローバルとローカル、多文化共生とフェアトレードが一つの場で交わるマルシェとなりました。
これまでのローカル・フェアトレード・マルシェでは、外国人農村ワーカーとともに参加できるさまざまな交流プログラムも企画してきましたが、今回はそこまで十分に準備することができず、少し心残りもありました。それでも、久しぶりに街の中心部へ出かけた皆さんのどこか弾んだ表情から、マルシェそのものが交流の場になっていることを感じることができました。
また、熊本市をはじめ、銀行、新聞社、商工会議所、大型ショッピングモールなどが参加する「フェアトレードシティくまもと協議会」の中に、持続可能な多文化共生農村づくりを進めるための「ローカル・フェアトレード部会」も設置されました。これから熊本が、ローカル・フェアトレードを通じて、農業・多文化共生・地域消費を結びつける新しいモデルをつくりあげていけることを願っています。
10月1日から1月14日まで全15回にわたり開催された「多文化共創ボランティアラーニング・プログラム」のオンラインフォローアップ学習会において、NPO東アジア共生文化センターの申明直代表が、第1回と第15回の2回にわたり講義を担当しました。
第1回では「現代社会とグローバル・シチズンシップ」をテーマに、グローバル化が進む現代社会において、多文化共生を支える市民の役割や、異なる文化的背景を持つ人々とともに地域社会をつくっていくための視点について講義しました。
また、第15回では「ローカル・フェアトレード」をテーマに、地域農業、多文化共生、持続可能な消費を結びつける取り組みについて紹介し、外国人材を含む地域の生産者をどのように支え、地域全体で持続可能な仕組みをつくっていくのかについて考えました。
2回の講義を通じて、グローバルな課題を地域の実践へとつなげる視点と、ローカル・フェアトレードが多文化共創社会づくりに果たす役割や可能性について、参加者の皆さんとともに学び、考える機会となりました。
9月1日から3日までの3日間、熊本学園大学フェアトレード研究会の学生約10名とともに、八代地域の多文化共生農家を訪ね、「多文化共生農家・動画制作キャンプ」を実施しました。
今回のキャンプでは、環境に配慮した農業や、多文化共生の現場で生産される農産物について学びながら、外国人農業人材と農家の皆さんがともに働く姿を動画で記録しました。学生たちは5か所の農家に分かれ、農作業を体験したり、農産物の袋詰めや苗づくりを手伝ったりしながら、外国人農業人材へのインタビューや農園の撮影にも取り組みました。
猛暑のなか、早朝からビニールハウスで作業する厳しさも実際に体験し、農業の現場を身体で学ぶ機会となりました。最終日には、それぞれが撮影した映像を持ち寄り、約3分間の動画に編集して発表。学生ならではの感性を生かした、個性豊かな作品が仕上がりました。
キャンプの最後には金峰山でキャンプファイヤーも行い、花火や焚き火を囲みながら交流を深めました。農業、多文化共生、フェアトレードを現場で学び、仲間とともに一つの作品をつくり上げる、充実した3日間となりました。
制作した動画はさらに編集を重ね、11月に開催されるフェアトレード・マルシェなどで紹介していく予定です。今回の取り組みを通じて、学生たちがローカル・フェアトレードや多文化共生農村について、より身近な問題として考えるきっかけとなりました。
ローカル・フェアトレード(地域循環・多文化共生・農村づくり)のマルシェを紹介した新聞記事が、素敵な「新聞バッグ」になって戻ってきました。
このバッグは、Kuma Visitの千田浩未代表が新聞記事を使って一つひとつ手作りしてくださったものです。記事には、外国人材が生産・販売に関わる農産品を通じて多文化共生を目指す、ローカル・フェアトレードの取り組みが紹介されています。
完成したバッグは、フェアトレードカフェの学生スタッフがモデルとなってカウンターでお披露目した後、現在はカフェのパソコン前に展示しています。
新聞記事が、こうして新しい形になってローカル・フェアトレードの活動を伝えてくれることを、とてもうれしく思います。千田先生、本当にありがとうございました。
フェアトレードカフェにお越しの際は、ぜひ実物もご覧ください。^^
5月31日(土)、メディメッセ桜十字熊本にて、「Local Fairtrade Marche(持続可能な多文化共生農村づくり)」を開催しました。
今回のマルシェには、外国人農業人材とともに環境に配慮した農産物を生産する「多文化農家」、ベトナム・ネパール・インドネシア・韓国などの料理を提供する「多文化食堂」、さらに桜十字グループ、JICAをはじめ、熊本市・熊本県に関わる多文化共生機関やSDGs関連団体が参加しました。
会場には、インドネシア、カンボジア、ベトナムなど出身の農業人材とともに育てたスイカ、トマト、生姜、ゴボウ、各種野菜が並び、ネパールのモモ、ベトナムのバインミー、インドネシアのナシゴレン、韓国のビビンバなど、多文化を感じる食も集まりました。生産者、外国人農業人材、地域の飲食店、支援機関、消費者が同じ場で交流する、まさにローカル・フェアトレードを体感できるマルシェとなりました。
フェアトレード月間(5月)の締めくくりとなる行事でもあり、熊本学園大学フェアトレード研究会の学生約20名も参加しました。販売や運営を手伝いながら、多文化共生の農業現場や地域とのつながりについて学ぶ貴重な機会となりました。
また、これまで3回にわたって行ってきた学習会・討論会やアンケートを踏まえ、「ローカルフェアトレード・ガイドライン」をまとめたことも、今回の大きな成果の一つです。このガイドラインを土台として、今後は多文化農家でのインターンや動画制作など、学生が現場に入りながら学ぶ取り組みへとつなげていきます。
今回のマルシェの様子は新聞でも紹介され、外国人農業人材が生産や販売の場に参加しながら、農産物を通じて多文化共生を広げていく取り組みとして取り上げられました。
ローカル・フェアトレードを通じて、農家、外国人農業人材、地域の飲食店、消費者をつなぎ、熊本から持続可能な多文化共生農村のモデルを少しずつ形にしていきたいと考えています。会場をご提供いただいた桜十字の皆さまをはじめ、ご協力いただいたすべての皆さまに心より感謝申し上げます。
2025年5月22日、くまもと県民交流館パレア9階にて、2025年度「くまもと県民カレッジ」国際交流コース第2回講座として、「ローカルフェアトレードと持続可能な多文化農村づくり」をテーマに講義を行いました。
講義では、「地域循環多文化共生圏に向けて―多文化共生農村をつくる外国人農業移住労働者と共に」という視点から、熊本の農村で進めているローカル・フェアトレードの取り組みや、外国人農業人材と地域農業、消費者をつなぐ仕組みについて紹介しました。
参加されたのは、国際交流や多文化共生に関心を持つ地域の皆さんです。熱心に耳を傾け、積極的に反応してくださったこともあり、1時間半の講義はあっという間に感じられるほど、充実した時間となりました。
地域の皆さんと直接意見を交わしながら、ローカル・フェアトレードを通じた持続可能な多文化共生農村づくりについて考える貴重な機会となりました。
フェアトレード月間を迎え、5月16日、熊本学園大学フェアトレード研究会では、学生食堂前でフェアトレードコーヒーの試飲会を開催するとともに、学生たちによるローカルフェアトレードのボードリレーを行いました。
当日は、フェアトレードコーヒーを味わっていただきながら、フェアトレードの取り組みや、熊本で進めているローカルフェアトレード、そして学内のフェアトレードカフェ「FELICHA」について、学生や教職員の皆さんに紹介しました。
急に暑くなったこともあり、アイスコーヒーは大人気。用意していたコーヒーが予定より早くなくなってしまうほど、多くの方に立ち寄っていただきました。
ローカルフェアトレードについて学生たち自身がメッセージボードを掲げて伝えることで、フェアトレードをより身近に感じてもらう良い機会となりました。試飲会が終わるまで雨にも降られず、無事にイベントを終えることができました。
NPO法人東アジア共生文化センターが、公益財団法人西日本シティ財団の「第26回 西日本シティ財団アジア貢献賞」を受賞し、3月17日に開催された授賞式に出席しました。
本センターでは、アジアの児童労働問題への取り組みを出発点に、ネパールとのフェアトレードコーヒー事業や東アジアにおける文化交流・多文化共生の活動を長年続けてきました。近年はその経験を熊本の地域社会へと広げ、外国人農業人材と農家、地域の飲食店や消費者をつなぐ「ローカル・フェアトレード」に力を入れています。
今回の受賞では、これまでのフェアトレード活動に加え、多文化共生と地域農業を結びつけたローカル・フェアトレードを「くまもとモデル」として展開しようとする取り組みも評価されました。
海外の生産者を支えるフェアトレードから、私たちの身近な農村でともに働き、暮らす外国人材と地域を支えるローカル・フェアトレードへ。今回の受賞を励みに、これからも熊本から持続可能な多文化共生農村づくりを進めていきたいと思います。
これまで活動をともに支えてきた盧恩明氏、辛教燦氏をはじめ、関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。
2025年2月16日、八代市役所で開催された「やつしろSDGsの日―みんなで目指すゼロカーボン」に参加し、ローカル・フェアトレード・マルシェを行いました。
八代地域は、熊本県内でも多くの外国人農業人材が働く地域の一つです。そうした地域で、農家と外国人材、消費者をつなぐローカル・フェアトレードの考え方や取り組みを紹介できたことは、今後の活動を広げていくうえでも大きな一歩となりました。
当日は、フェアトレードのWITHコーヒーとともに、SORA農園で生産された新鮮な野菜を販売しました。会場を訪れた皆さんにも好評で、参加した外国人農業人材も自分たちが関わって育てた農産物を直接販売しながら、来場者との日本語での会話や交流を楽しみました。
午後には、八代白百合学園高等学校の校長先生、日本語の先生、生徒の皆さんも応援に来てくださり、会場で交流を深めることができました。
農産物の販売を通して、生産者と消費者、外国人材と地域住民が直接出会い、互いを知ることもローカル・フェアトレードの大切な役割です。八代での今回のマルシェを、持続可能な多文化共生農村づくりにつながる新たな一歩として、今後の取り組みに生かしていきたいと思います。
熊本学園大学フェアトレード研究会の学生9名(大学院生2名を含む)とともに、ローカル・フェアトレード韓国研修として、京畿道の高陽市、驪州市、光明市を訪問しました。各地域では、フェアトレード、ローカルフード、多文化共生、社会的農業などに関する現場を訪ね、熊本で進めている取り組みとの共通点や今後の連携の可能性について学びました。
研修の中心となったのが、2月11日に驪州図書館ヨガンホールで開催された「熊本学園大学フェアトレード研究会と共にする2025フェアトレード議政フォーラム―:驪州、フェアトレードに出会う」です。驪州市議会の主催により、行政、議会、ローカルフード、多文化共生、社会的農業、フェアトレード関係者など約150名が参加し、地域循環と多文化共生をつなぐ新たな可能性について活発な議論が行われました。
フォーラムでは、韓国フェアトレード村委員会による「フェアトレードとローカルフェアトレード」、申明直教授による「熊本ローカルフェアトレードの事例」、驪州ローカルフード社会的協同組合による地域実践の報告が行われ、その後、地域農業、外国人住民、社会福祉、持続可能な地域づくりなどの立場から討論が続きました。
驪州は、熊本と同じく都市と農村が共存する地域です。外国人農業人材の存在が大きくなるなかで、ローカルフードと多文化共生、そしてフェアトレードを結びつけるローカル・フェアトレードの可能性を、韓国の現場でも共有できたことは大きな成果となりました。
研修ではこのほか、驪州ローカルフード直売所や、発達障害者が働くプルメ・ソーシャルファームなども訪問しました。地域の農業、福祉、多文化共生を支えるさまざまな実践に触れながら、熊本と韓国が互いの経験を学び合い、持続可能な多文化共生農村づくりをともに進めていくための貴重な機会となりました。
12月22日(日)、熊本学園大学前の肥後銀行学園大通支店駐車場を会場に、第2回「Local Fair Trade Marche―持続可能な多文化共生農村づくり」を開催しました。
年末の開催ということもあり、会場はクリスマス仕様。朝7時から学生たちがテントや長机を運び、大型テントを組み立て、サンタ帽をかぶって来場者を迎えました。心配していた雨にも降られず、冬とは思えないほど穏やかな天候にも恵まれました。
今回のマルシェには、インドネシア、ベトナム、カンボジア、タイ、フィリピン、ナイジェリアなど、さまざまな国につながる多文化共生農家と外国人農業人材が参加し、野菜や農産加工品などを販売しました。会場では毎時間、各農園や農産品の紹介に加え、外国人農業人材による自己紹介やパフォーマンスの時間も設けました。インドネシア・ベトナムの農園チームによる「APT.」のダンスや、カンボジアの伝統舞踊では、来場者も一緒になって踊り、会場全体が大いに盛り上がりました。
熊本学園大学フェアトレードカフェの学生スタッフは、フェアトレードコーヒーや柚子茶に加え、ローカル・フェアトレードの食材を使った韓国風春雨饅頭や中国風ニラ饅頭なども販売しました。学生と教員が一緒に手作りした温かい料理は、寒い季節のマルシェにもよく合い、多くの方に楽しんでいただきました。
また、肥後銀行学園大通支店2階では、短編映画の上映や異文化レクリエーションを実施しました。異なる国や地域の参加者が混ざったグループで、お互いの名前や食文化を知るゲームやクイズを行い、国籍や年齢を越えて交流する時間となりました。
子どもたちに特に人気だったのが、「多言語あいさつスタンプラリー」です。タイ語、韓国語、インドネシア語、カンボジア語、ベトナム語、ミャンマー語、英語・ナイジェリア語など、さまざまな言葉で「こんにちは」を教えてもらいながらスタンプを集める企画で、サンタ帽に誘われて訪れた子どもたちも楽しそうに参加してくれました。
振り返れば、2024年は、5月のフェアトレード月間から学習会・討論会、そして2回のローカル・フェアトレード・マルシェへと、少しずつ活動を積み重ねてきた一年でした。今回のマルシェは、その一年を締めくくると同時に、農家、外国人農業人材、学生、地域住民、消費者が出会い、顔の見える関係をつくるローカル・フェアトレードの姿を実感できる場となりました。
会場提供をはじめ、準備から当日の運営までご協力いただいた肥後銀行学園大通支店の皆さま、そしてフェアトレードカフェOGをはじめ多くの関係者の皆さまに、心より感謝申し上げます。
2024年11月12日、熊本市国際交流会館で開催された熊本市フェアトレード普及啓発イベント「ようこそフェアトレードシティくまもとへ」に参加し、「熊本発ローカル×フェアトレードの挑戦」をテーマに講演を行いました。
講演では、これまで発展途上国の生産者支援を中心に発展してきたフェアトレードの考え方を、熊本の農村や地域社会へと広げるローカル・フェアトレードの構想について紹介しました。外国人農業人材を単なる労働力としてではなく、地域農業をともに支える担い手として位置づけ、農家、地域住民、消費者をつなぎながら、持続可能な多文化共生農村をつくっていくことが大きなテーマです。
当日は、修学旅行で熊本を訪れていた東京の明星高校の生徒たちも参加しました。フェアトレードシティ熊本の歩みとともに、熊本で始まりつつあるローカル・フェアトレードの新たな挑戦について学んでもらう機会となりました。
高校生からは、ローカル・フェアトレードを地域活性化の視点から捉えた感想も寄せられ、グローバルなフェアトレードの理念を地域の課題とどのように結びつけていくのかを考える、印象深い交流となりました。
熊本から始まったこの取り組みが、地域を越えて少しずつ広がり、フェアトレードと多文化共生、地域農業をつなぐ新しいモデルへと育っていくことを期待しています。
「多文化共生」と「フェアトレード」を地域の中で結びつけたい。そんな思いから、熊本学園大学前の肥後銀行学園大通支店駐車場を会場に、第1回「ローカル・フェアトレード・マルシェ」を開催しました。
このマルシェは、大学のフェアトレードカフェ学生スタッフ、多文化共生農家、そこで働く外国人農業人材、地域のエスニックレストラン、SDGsに取り組む企業・団体などが一緒につくる、新しい形の交流の場として企画したものです。海外の生産者を支えてきたフェアトレードの考え方を、いま私たちの身近な農村で働き、地域の食を支える外国人材にも広げていく――それがローカル・フェアトレードの出発点でした。
初めての開催だけに、準備は期待と不安の連続でした。前週は雨風が続き、当日の朝も深い霧。朝7時からテントを張りながら、「本当に農家の皆さんは来てくれるだろうか」「雨は大丈夫だろうか」「エスニック料理のブースは無事に開けるだろうか」と、最後まで気が抜けませんでした。
しかし、開場を迎えるころには霧が晴れ、青空と日差しが広がりました。八代から届いたトマトは午前中から飛ぶように売れ、農家の方が追加の商品を取りに往復するほどの盛況に。ベトナム、インドネシア、カンボジア、ミャンマーなど、さまざまな国につながる人々が会場に集まり、農産物を販売し、言葉を交わし、互いの文化を紹介しながら、自然と笑顔の輪が広がっていきました。
午後には、東アジア共生映画祭の一環として短編映画を上映しました。日本語に加えて、ベトナム語、カンボジア語、インドネシア語などの字幕も準備し、学生や留学生、専門家の協力で完成させました。また、外国人農業人材が日常生活や仕事の場で使う言葉を取り入れた日本語クイズ大会も行い、楽しみながら学べる時間となりました。
準備には長い時間がかかりましたが、当日は多くの方が農産物を手に取り、映画を楽しみ、言葉や文化の違いを越えて交流する姿を見ることができました。何より、参加した農家、外国人農業人材、学生、地域の方々が「楽しかった」と笑顔で帰っていく姿に、これまでの苦労が一気に報われたように感じました。
マルシェが終わるころには、まるで一日を待っていてくれたかのように遠くから雨雲が近づいてきました。初めての試みで、不安も迷いも多い一日でしたが、無事に終えることができ、ローカル・フェアトレードの第一歩を確かに踏み出せたという実感が残りました。
会場を提供してくださった肥後銀行学園大通支店をはじめ、朝早くから設営・運営・撤収を支えてくださった皆さま、学生・大学院生スタッフ、農家や外国人農業人材の皆さまに、心より感謝申し上げます。
この小さなマルシェから、熊本の農村と地域社会をつなぐ新しい歴史が始まっていくことを願っています。
2024年7月28日、熊本学園大学14号館2階フェアトレードカフェにて、「持続可能な多文化共生くまもと農村づくり」第3回学習・討論会を開催しました。
今回のテーマは、熊本の多文化共生有機農園「百草園」の流通システムから学ぶこと。講師には、約40年にわたり有機農業を実践してきた百草園代表の間 司氏をお迎えしました。
百草園では、長年にわたり外国人農業人材とともに有機農産物を生産しながら、熊本市南部から植木・玉名など県北地域まで、レストランやカフェ、消費者へ定期的に農産物を届ける独自の流通システムを築いてきました。一般家庭との「提携」が以前より減少する一方で、有機農産物を求める飲食店や店舗からの需要はむしろ広がっていることなど、長年の実践に基づく貴重なお話を伺いました。
討論では、こうした既存の有機農産物流通にローカル・フェアトレード農産品を組み合わせて配送する可能性や、エスニックレストランからパクチーや韓国のエゴマの葉などの注文を受け、多文化共生農家に栽培を依頼する仕組みなど、具体的なアイデアも出されました。
また、ローカル・フェアトレードのガイドラインについても意見交換を行い、在留資格などによって複雑に基準を分けるのではなく、現場で運用しやすいシンプルで分かりやすい基準づくりの重要性が共有されました。
第2回までの学習・討論会で検討してきた「地域ガイドライン」に加え、今回は《生産者とエスニック・SDGsショップ、消費者をどのようにつなぐかという「流通」》に焦点を当てたことで、ローカル・フェアトレードを実際の仕組みとして動かしていくための方向性が、さらに具体的になりました。
今後、ローカル・フェアトレード・マルシェなどでの実践を重ねながら、熊本にふさわしいガイドラインと流通システムを形にしていきたいと考えています。
2024年5月29日、熊本学園大学フェアトレードカフェにて、「持続可能な農村・多文化共生地域づくり、熊本ローカルフェアトレードの挑戦」をテーマに、第2回学習・討論会を開催しました。
今回は、沖縄・八重山諸島で独自のローカル認証制度「コラコラ(coral collaboration)」を立ち上げた花谷まゆ氏を石垣島からお迎えしました。コラコラは、サンゴ礁を守るために、農業・飲食・宿泊など地域の事業者が話し合いながらガイドラインをつくり、「山から海まで」地域全体を循環する仕組みとして育ててきた取り組みです。
講演後は、阿蘇・高森や植木の農業関係者、エスニックレストラン、多文化共生・フェアトレード関係者、研究者など約30名が参加し、熊本版ローカル・フェアトレードのガイドラインについて活発な意見交換を行いました。
なかでも印象的だったのは、認証基準を専門家が「上から」決めるのではなく、農家や外国人農業人材、飲食店、消費者など当事者の声を積み重ねながら「下から」つくっていくことの大切さです。遠回りに見えても、それこそが地域に根づく仕組みをつくるための重要な道であることを共有しました。
また、コラコラの「山から海まで」という考え方を参考に、熊本のローカル・フェアトレードでも、Farm to Fork(農場から食卓まで)という短い多文化共生のフードチェーンを一つの基本的な枠組みとして考えていくことなど、今後のガイドラインづくりにつながる貴重な示唆を得ました。
今回の討論を出発点として、多文化共生農家や外国人農業人材、エスニック・SDGsショップなど、現場の声をさらに聞きながら、熊本にふさわしいローカル・フェアトレードの基準を具体化していくことになりました。
2024年5月、熊本学園大学のフェアトレードカフェ「FELICHA」は、開設から10周年を迎えました。2014年に「東アジア共生ブックカフェ」としてスタートして以来、学生たちとともにフェアトレードを学び、伝え、実践する場として活動を続けてきました。
10周年を迎えた今年の「世界フェアトレード・デー月間」のテーマは、「Local Fair Trade―持続可能な多文化共生農村づくり」。これまでのGlobal Fair Tradeに加え、熊本の農村で外国人農業人材とともに農産物を生産する「多文化共生農家」と、地域のエスニックレストランやSDGsショップ、消費者をつなぐ新たな取り組みをスタートしました。
5月7日からは、インドネシア人農業人材が働く池福農園の生姜を使った韓国風生姜茶を提供。23日には、ローカル・フェアトレードのネットワークに参加するネパール料理店「サンジ(Sanji)」のネパール人シェフが作ったカレーと、ネパール産フェアトレードコーヒー「ヒマラヤの薫り」をセットで販売しました。カレーの深い味わいと鮮やかな色は好評で、香りに誘われて立ち寄る方も多く、学生スタッフにとってもネパールの食文化を身近に感じる楽しい機会となりました。
さらに、5月29日には八重山諸島のローカル認証制度から学ぶ「Local Fair Trade」講演・討論会、31日には学生食堂前でフェアトレードコーヒー試飲会とローカル・フェアトレードのボードリレーを実施しました。
こうした10周年の取り組みは、熊本日日新聞にも大きく紹介されました。大学のフェアトレード活動が10年間継続し、約70名の学生が参加してきたこと、そして今後はフェアトレードを多文化共生や地域農業と結びつけるローカル・フェアトレードへ発展させようとしていることが紹介されています。
大学でフェアトレードの芽を育てて卒業した学生たちは、すでに社会のさまざまな場所でその花を咲かせています。10年間続けてきたからこそ見えてきた次の課題が、Global Fair TradeとLocal Fair Tradeをつなぎ、持続可能な多文化共生農村づくりへと広げていくことです。
FELICHAの10周年は、これまでの歩みを振り返ると同時に、ローカル・フェアトレードという新しい挑戦への出発点となりました。
2024年3月2日、熊本学園大学フェアトレードカフェFELICHAにて、「持続可能な多文化共生くまもと農村づくり―多文化農家・エスニック食堂・HP連携」プロジェクトの報告・討論会を開催しました。
このプロジェクトは、外国人農業人材が働く多文化共生農家で生産された農産物と、地域のエスニックレストランやショップが必要とする食材をつなぐ仕組みをつくろうとするものです。農家と飲食店を結ぶ情報プラットフォームとしてホームページを活用し、地域の中で生産と消費を循環させる「ローカル・フェアトレード」の可能性を探りました。
準備段階ではさまざまな不安もありましたが、実際に高森、菊池、植木などの農家やエスニックレストランを訪ねると、各地で大きな関心と歓迎をいただきました。調査を通じて、農家側には販路拡大への期待があり、エスニック食堂側には母国料理に必要な食材を地域で安定的に調達したいというニーズがあることも見えてきました。
当日の報告・討論会には、遠方から農家関係者が参加したほか、調査に携わった学生・大学院生、多文化共生や地域づくりに関心を持つ方々も集まり、活発な意見交換が行われました。農業、外国人材、エスニック食堂、消費者を地域の中でどうつなぐかという課題について、それぞれの立場から具体的な意見が交わされました。
今回の討論会は、まだ小さな第一歩ではありましたが、熊本におけるローカル・フェアトレードを本格的に形にしていくための出発点となりました。ここから、地域ガイドライン、流通の仕組み、マルシェなどへと議論と実践を重ねながら、持続可能な多文化共生農村づくりへつなげていきます。